大腸カメラとは?

大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)とは、肛門からカメラを挿入し、大腸や直腸粘膜の状態を観察する検査です。大腸の粘膜を詳細に観察するためには前日から食事制限や下剤の内服を行い、腸内にたまった便を排泄する必要があります。大腸はポリープが発生しやすく、腫瘍性のポリープは放置すると一定の確率でがん化すると言われています。大腸カメラでは大きさや形にもよりますが、その場でポリープを切除する事もできます。また、組織を採取し病理検査を行うことで病気の確定診断をつけることも可能です。
大腸カメラでわかる疾患
- 大腸ポリープ
- 大腸がん
- 大腸憩室症
- 潰瘍性大腸炎
- クローン病
- 虚血性大腸炎
- 感染に伴う大腸炎
など
大腸カメラを受けるタイミングは?
以下の症状がある方は大腸カメラを検討しましょう
- 下痢や便秘が続いている
- 腹部に痛みがある
- 排便時に出血がある
- 便が以前に比べて細くなった
- 健診の便潜血反応が陽性
- 貧血がある
- 体重の減少がある
- 大腸ポリープの既往がある
- 血縁者に大腸がんの既往がある
- 40歳以降で一度も大腸カメラを受けた事がない
当院の大腸カメラの特徴
当院では、学会が認定する消化器内視鏡の専門医が、豊富な臨床経験を生かして、迅速かつ正確な検査を行います。大腸は長さに個人差があり、急な曲がり角が数か所ありカメラを挿入する際に多少の苦痛を伴います。当院では、熟練した技術を要する挿入時に空気を全く入れない完全無送気法で検査を行っております。この方法で挿入することにより、患者さんの苦痛はかなり軽減されます。また観察の際も、炭酸ガスを使用し検査後のおなかの張りが少なくなるように配慮しています。
検査にかかる費用
3割 | 2割 | 1割 | |
初診時 | 3,600円 | 2,400円 | 1,200円 |
検査のみ | 5,600円 | 3,800円 | 1,900円 |
大腸ポリープ切除 | 25,000-32,000円 | 18,000円 | 8,000円 |
※上記の金額は概算となります。
※検査前日の検査食として検査食3食セットを1,200円(自費)で用意しております。
大腸カメラを受ける際の
流れ・注意点
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検査前日
- 消化の良いものを中心に食べ、繊維質の多い食品(ひじき、わかめ、こんにゃく、キノコ類など)や種子の多い食品(イチゴ、キウイなど)は検査2日前から控えるようにしてください。検査食を購入された方は、そちらを3食食べてください。
- 夕食は午後8時ごろまでに済ませ、食事量は軽めに済ますようにしましょう。
- 午後9時にあらかじめお渡しした下剤を飲んでください。
- 就寝も早めにしてしっかりと睡眠を取るようにしましょう。
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検査当日
- 食事はせずに、適度な水分を取るようにしましょう。
- 高血圧や心臓病の薬は内服してください。(糖尿病の薬は飲まないでください)
- 鎮静剤を使用する検査を受けられる方は、ご自身の運転(車・バイク・自転車など)によるご来院は控えてください。
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検査前準備(下剤の服用)
- 大腸をきれいにするため、検査4時間前から約2リットルの下剤を数回に分けて飲みます。
- 普段の便の状態に応じて、前日から下剤を飲むこともあります。
- 5~8回程度の排便があり、カスが目立たなくなれば検査可能な状態です。
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内視鏡検査
- ご希望の方には鎮静剤・鎮痛剤を注射します。
- 身体の左側を下にしてベッドに横になり、肛門からカメラを挿入します。
- モニターをみながら大腸の隅々まで観察します。
- 必要に応じて、ポリープ切除や組織検査を行います。
(検査時間は観察のみ:10~15分 ポリープ切除の際は大きさや数により前後します)
-
内視鏡検査後
- 検査終了後はリカバリールームで30~60分前後、横になり休憩します。
- 検査結果は当日に説明し、検査レポートもお渡しします。
- ポリープ切除や組織検査を行った際は、後日改めて結果をお伝えします。
- ポリープ切除を行った際は、1週間アルコールは控えてください。
内視鏡検査Q&A
内視鏡検査全般に関して
Q 内視鏡検査はどのくらい費用がかかりますか?
胃カメラの場合、3割負担で約4,000円~8,000円前後となります。組織検査の有無により変動します。大腸カメラの場合、3割負担で約6,000円~30,000円前後となります。大腸ポリープの有無や個数により変動します。
Q 内視鏡検査はどのくらい時間がかかりますか?
検査だけであれば、胃カメラが3~5分前後、大腸カメラが15分前後です。組織を採取したり、ポリープを切除した際はプラス5~15分前後が必要となります。検査終了後、鎮静剤を用いた際は30分前後、院内のリカバリー室で休憩していただきます。
Q 内視鏡検査の準備にはどのようなものがありますか?
胃カメラも大腸カメラもお腹の中に食べ物が残っていると、詳細な観察ができません。そのため、検査の前日は食事内容と時間に制限があります。胃カメラでは検査当日朝より絶食、大腸カメラでは、検査前日の夜と、当日に腸管洗浄剤を内服して何度も排便を行い腸の中を綺麗にする必要があります。また前日から、海藻類や繊維質の多い食べ物を制限して頂きます。
Q 検査後は車の運転は可能ですか?
鎮静剤を使用した際は、終日ご自身での自転車・バイク・車の運転はお控えください。送迎はご家族に運転して頂くか公共の交通機関をご利用ください。
Q 検査は何曜日に受けられますか?予約は必要ですか?
検査は胃カメラ、大腸カメラ共に月・金・土曜日に行っています。当院の検査はすべて内視鏡専門医が行います。検査は予約制となりますが、胃カメラに関しては当日の検査に空きがあり、絶食で来院されれば同日の検査が可能となります。電話でもあらかじめ検査の日時をご相談ができます。
Q 鎮静剤を使っての内視鏡検査は受けられますか?
当院では苦痛なく検査を受けて頂くため、鎮静剤を使用して検査が可能です。鎮静剤は年齢・性別・体格・咽頭反射の強弱等を参考に投与量を調整しています。
大腸カメラ
Q 大腸カメラの検査中は痛みはありますか?
大腸は何ヶ所かの曲がり角があり、腸の長さやお腹の中の癒着の状況も人それぞれです。カメラが腸の中を通る際は人により多少の違和感を伴いますが、当院ではカメラの挿入方法や検査時に注入するガスの種類にも配慮し、なるべく苦痛のない検査ができるよう心がけています。
Q 大腸カメラの検査前の食事はどのようにしたら良いですか?
検査の数日前から、食物繊維の多い野菜や海藻・きのこ類・穀物類は避けるようにしてください。検査の前日はお粥やうどん・豆腐などを摂取してください。当院では、検査前日の食事の調整が難しい方向けに、前日の検査食セットも用意しておりますのでご相談ください。普段の排便状況により、数日前から便を出しやすくする薬を内服して頂く場合もあります。